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ギリシャ神話【アポロンとダフネ】のあらすじとは?必見のベルニーニの儚くも美しい彫刻を紹介。

約 1 分
ギリシャ神話【アポロンとダフネ】のあらすじとは?必見のベルニーニの儚くも美しい彫刻を紹介。

世界の美術館では、多くのギリシャ神話をモチーフとする作品が多々ありますね。

中でも美しく有名なものが、神に追われた女性が自らの姿を植物に変えて逃げるという物語です。

これは「アポロンとダフネ」という神話のラスト部分。

ここでは「アポロンとダフネ」の神話のあらすじや、それをモチーフとした有名な美術品についてご紹介していきます。

美術館巡りがずっと楽しくなることでしょう。


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ギリシャ神話【アポロンとダフネ】の物語

アポロとダフネの絵

登場人物

  • アポロン:太陽神。戦いの神でもあり、弓の名手
  • ダフネ:河の神ペーネイオスの娘。「月桂樹」という意味の名前を持つ
  • エロス:美の女神アフロディテの、永遠に歳をとらない息子。手にした特別な矢で、相手の心を射る
  • ペーネイオス:河の神、ダフネの父

あらすじ

神々の住むオリンポス山でのお話。

ある日、弓の名手アポロンが、小さな弓を手にするエロス(ローマ神話ではキューピッド)に出会いました。

アポロンはエロスの小さな弓を見て、笑いながら言いました。

「そんな弓で、何を射れるというのだい」

小バカにされたエロスはむっとして、「この弓であなたを射ることすらできるのですよ」と返します。

アポロンはそんな子供のままごとのような弓で自分を射れると言ったエロスにおかしくなって、

「いいとも、いつでもやってごらん。もし当たったとしても、何ともないさ!」と大笑いしながら言ったのです。

女神アフロディテの誇り高き子であるエロスは、この無知な青年アポロンを懲らしめることにしました。

まず、金の矢を取り出し、油断しているアポロンに打ち込み、そしてこの辺りで最も美しく純粋な娘ダフネに、鉛の矢を打ち込んだのです。

するとどうでしょう、急にアポロンはダフネに激しい恋心を抱いてしまったではありませんか!

一方、鉛の矢を打ち込まれたダフネは、見目麗しいアポロンを拒絶し、頑なに避けるようになりました。

そうです、エロスの力は人の恋心を決定付ける力を持っていたのです

その矢の効果は、例え神であるアポロンといえど、破ることはできませんでした。

アポロンは寝ても覚めても美しいダフネのことが頭から離れず、激しい恋心に気が狂いそうになる程。

しかしダフネは、鉛の矢の力によってアポロンを意味なく遠ざけます。

そしてとうとうアポロンは、待ち伏せをしてダフネに近付こうとしたのです。

急に目の前に現れたアポロンに気付いたダフネは、反射的に逃げました。

アポロンは愛しいダフネの後を必死で追いかけ、叫びます。

「ダフネよ、どうして私を避けるのだ。振り返って私を見てくれ!

私は竪琴を弾けば動物までもが恍惚とし、歌声は妖精の心も溶かす。

病から人々を救い、大勢の娘たちに慕われるアポロンだ。

あなたに危害を加えるつもりは決してないのだよ!」

しかしダフネの心は頑として、大蛇に追われているかのように必死で逃げるのです。

逃げる後ろ姿さえもが美しい……そんな少女ダフネにあと少しで手が届く……!

と、その時です。

ダフネは必死で、涙ながらに叫びました。

「お父様、助けてください!

例えどんな姿になっても、この男のものにならないよう逃げさせてください…!

父である河の神ペーネイオスは、娘の悲痛なる叫びを聞き入れました。

たちまちダフネの白く柔らかな肌は樹皮に覆われ、たなびく美しい髪は緑色の葉となり、天に向けて差し伸べていた手は、木の枝と化しました。

そう、ダフネは自らの体を月桂樹の木に変えてまで、アポロンの手から一生逃れる方を選んだのです。

アポロンは愕然とし、がっくりと地に崩れ落ちました。

あれほど焦がれたダフネは、一瞬にして地に深く根を張った月桂樹に変わってしまったのです。

もう一寸たりとも動きません。

あの美しい声も、姿も、どこにもないのです。

なんという強い拒絶でしょうか。

アポロンは三日三晩、月桂樹の下で泣き続けました。

そして、その場を立ち去る時、彼は月桂樹の枝を手折り、冠を作りました。

「愛するダフネよ、私はあなたのことを決して忘れない」

それから生涯、アポロンは永遠の愛の証として月桂樹の冠をかぶり続けたということです。

~おしまい~


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ベルニーニ作の彫刻【アポロンとダフネ】

【アポロンとダフネ】をモチーフとした数少ない彫刻を遺した、偉大な芸術家をご紹介します。

1598年にイタリアで生まれた「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ」です。

彼はバロック芸術の巨匠であり、その超絶技巧により数々の名作を生みだしただけではなく、永遠の都ローマの街全体を生み出した、建築と彫刻美術の融合をなし得た人物でもありました。

バチカン市国内のカトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂の広場や、大聖堂の鐘楼や内部装飾の数々も、ベルニーニによるものなのです。

他にもローマのナヴォーナ広場にある「四つの河の噴水」など、彼の素晴らしい作品は語り出したらキリがないほどです。

ご覧ください、彼の彫刻の繊細で滑らかなこと…おわかりになりますでしょうか。

アポロンの力強さ、ダフネの必死の形相、そして父が娘を助けようと施した、力強い変化の術…

近くで細部まで見るほどに、その美しさ、写実性に感動せずにはいられない偉大な芸術品です。

かの有名なスペイン階段の下に位置する「バルカッチャの噴水」も、若きベルニーニと彫刻家であった父親による作品です。

ベルニーニによる素晴らしい彫刻【アポロンとダフネ】は、上のリンクでご紹介したボルゲーゼ公園の中にある、有名なボルゲーゼ美術館の中に納められています。

ボルゲーゼ美術館を見学しよう

ボルゲーゼ美術館

ボルゲーゼ美術館へのアクセスは、スペイン階段へのアクセスと同様です。

以下のリンクでご確認ください。

とてもゆったりとしたイギリス庭園の中、五感を満足させてくれるお散歩コースとなっていますよ!

1616年に完成したボルゲーゼ美術館(Museo e Galleria Borghese)には、ルネサンス、バロック美術を中心とした、素晴らしい作品が多数納められています。

これらは全て、シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿(ローマ教皇の最高顧問)がパトロンとなって作らせたものや、収集したものですので、作者は違えど好みは一致しているのが感じられます。

おそらくこの美術館の作品がお好きな方は、所蔵の全てを美しいと感じるのではないでしょうか。

ボルゲーゼ美術館はイタリア、ローマ市内のボルゲーゼ公園(Villa Borghese)の中にあり、一階には彫刻、二階には絵画が展示されています。

中でもジャン・ロレンツォ・ベルニーニの「アポロンとダフネ」、「プロセルビーナの略奪」は、想像を絶する美しさです。

滑らかな肌の弾力、着衣の滑り落ちる様、筋肉の躍動感、そして男女の身体の質感の違い…

全てが息を飲むほど精巧に、生き生きとそこにあるのです。

ローマを代表する素晴らしい芸術家を、この夏の避暑地として作られた静かな美術館で、ご覧になってはいかがでしょうか。

予約が必須ですのでご注意くださいね。

ピンチョの丘から一望するローマの街並みは、タイムスリップしたかのような絶景ですよ。


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