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ドイツの黒いサンタとは?トリビアの泉で紹介された絵本や歴史を解説。

約 1 分
ドイツの黒いサンタとは?トリビアの泉で紹介された絵本や歴史を解説。

子供たちにとって、クリスマスはトナカイのソリに乗ったサンタさんが、プレゼントをくれる素敵な日…そう思いますよね。

でも、ドイツでは違うのです。

良い子のところにはサンタさんが来てくれますが、悪い子のところには黒いサンタクロースが来て、お仕置きをするのです…!

トリビアの泉でも紹介され、皆が驚いたこの事実。

詳しくご説明していきましょう。


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長い歴史を持つ黒いサンタは、ドイツ生まれ?

ドイツの木製のサンタと黒サンタ人形

アルプス周辺のヨーロッパ各国では、サンタクロースは従者と一緒にやってくると言われています。

良い子にはサンタクロースがプレゼントをして、悪い子には従者がお仕置きをする、ということです。

その従者の姿は、国や地域によって姿かたち、呼び方も色々です。

おじいさん妖精の姿をしていたり、かぎ爪と角を持った怪物の形(クランプス)だったりします。

中でも、ドイツで言い伝えられている従者が、おじいさん姿の黒いサンタ

その名を、クネヒト・ループレヒトと呼ばれています。

ここでは、クネヒト・ループレヒトと、怪物のクランプスについてご紹介します。

クネヒト・ループレヒト

クネヒト・ループレヒトとサンタクロース

既に17世紀には文献資料に載っている、クネヒト・ループレヒト。

彼は、赤いサンタと同じように長いひげをたくわえ、毛皮か藁で体を覆っています。

そして長い棒や灰の入った袋を持ち、お仕置きの道具とするのです。

赤いサンタクロースがトナカイのソリに乗っている後ろから、黒サンタはひっそりとついていきます。

良い子には、赤いサンタクロースがおもちゃやお菓子をプレゼントし、悪い子には黒サンタがジャガイモの皮や動物の内臓などをプレゼントするといいます。

更に、とても悪い子供には、灰の入った重たい袋で叩いてお仕置きをし、中にはその袋の中に子供を入れて地獄へ連れて行ってしまう…という、怖~いお話!

もともとは、キリスト教の信仰を支えたもので、聖ニコラウスの日(12月6日)に黒いサンタが聖ニコラウスと共に現れるのが伝統でした。

黒サンタは、子供たちにお祈りができるかどうか尋ねます。

「できる」と答えた子は「良い子」であり、ジンジャーブレッドやリンゴ、木の実などがもらえます。

しかし、「できない」と答えた子は「悪い子」として、灰袋で叩かれるというもの。

それが、近代になるにつれて悪い子には子供が嬉しくないプレゼント(石炭の塊、棒、石)などを置いていくと言われるようになりました。

この棒は、親が悪い子を打つための鞭だということです。

クランプス

クランプス

まさに怪物!の形相のクランプス

こちらはヨーロッパ中部の伝説の生き物であり、主にドイツやオーストリア、ハンガリー、ルーマニア、クロアチア、チェコ、北イタリアなどで言い伝えられています。

こちらも、クリスマスには聖ニコラウスのお供として、悪い子供には警告と罰を与えて回ると信じられています。

聖ニコラウスが人々を回る前に、クランプスが悪い子をお仕置きしにやってくるのが伝統で、12月5日がクランプスが最初にやってくる日です。

クランプス(Krumpus)とは、昔のドイツ語で「かぎ爪」を意味するクランペン(Krampen)が語源です。

その名の通り、恐ろしい悪魔の形相をしていますね。

ギリシャ神話の半獣神パーンの特徴を供え、大きな山羊の角に毛皮、片足は蹄(もう片方は人間の足)を持っています。

長い舌を持ち、すぐにでも子供を食べてしまうよう。

クランプスは悪い子供をさびた鎖や鞭を使ってお仕置きをし、その後は子供たちを袋に詰めて自分の隠れ家へ連れ帰ると信じられているのです。

このように、子供たちが一年を良い子で過ごすよう、教育するための伝統があるのですね。

まるで、日本の大晦日に行われる伝統行事、なまはげのようです。

アルプス周辺のアルペン地方、雪深く寒い国々にあるこの伝統と、同じく雪深い秋田県のなまはげ。

どちらも人々が寄り添い、信頼関係を強めて寒い冬を乗り越える、神聖な行事として受け継がれてきたのです。


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黒いサンタの登場する絵本などのご紹介

映画KRAMPUSのDVD

アメリカや日本では、優しいサンタのおじいさんしか知られていませんが、実はヨーロッパには黒いサンタやクランプスなどが知られていたのですね。

それらの登場するメディアをご紹介しましょう。

黒いサンタ

黒いサンタ、実は日本の絵本やアニメ、ゲームにも登場しているのです。

  • 黒いサンタクロース(著者:池井 昌樹)
  • くつしたをかくせ!(著者:乙一)
  • ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(著者:ティム・バートン)
  • 仮面ライダーV3(TV)
  • それいけ!アンパンマン(TVアニメ)
  • 鬼灯の冷徹(TVアニメ)
  • ファントム オブ キル(ゲーム)
  • Fate/Grand Order(ゲーム)

クランプス

見るからにホラー映画の主役になれそうなクランプス。

やはりサスペンスホラー映画になっていましたよ!

  • クランプス 魔物の儀式(映画、日本でもDVD・BDあり)
  • Krampus(映画、原作Michael Dougherty)
  • A Christmas Horror Story(映画、原作Grant Harvey)
  • Krampus!(アメコミ、著者Michael Dougherty)
  • KrampusーShadow of Saint Nicholas(アメコミ、著者Brian Joines)
  • The Art of Krampus(絵本、著者:Michael Mallory)

どこへ行けば黒いサンタに会える?

クランプスが忍び寄る影

黒いサンタは、クリスマスマーケットの各場所で、サンタと一緒に現われます。(別記事「ドイツのクリスマスマーケット」をご参照ください。)

お菓子がもらえるか、石炭をもらうのか…楽しみですね。

またクランプに関しては、アルペン地方で伝統の通り、12月の最初の2週間、街に出没するようになります。

特に12月6日の聖ニコラウス祭の前夜、つまり12月5日の晩には、クランプスの扮装をした若者たちが錆びた鎖と鐘を持ち、街を練り歩き、子供や女性を怖がらせます!

彼らの用いる仮面は、ラルフェ(Larve)という木彫りの仮面に羊の皮と角を用いて作られており、とても精巧な出来栄えでなのです。

鞭を振るいながら子供を捕まえ、良い子でいるよう、親の言うことを良く聞くように厳しく諭していきますが、最後には「良い子になるよう約束してね」と言ってお菓子をくれるそう。

そのため、子供たちは怯えながらも、クランプスの行列を見に行くようです。

子供たちのおっかなびっくりの表情を見るのも、また可愛いものですね。

日本のなまはげと同じような伝承意味を持つ、黒いサンタやクランプス。

もしご興味がありましたら、ぜひ冬のヨーロッパに足を運んでみられてはいかがでしょうか。


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