
世界中で愛されている1991年公開のディズニー・アニメーション「美女と野獣」が、遂に実写化されます!
ふさふさの毛をたくわえた野獣と、黄色いドレスをまとったベル、そしてガラスのケースに入れられた儚げなバラ…
誰もがあのロマンティックな映像に心を奪われたことでしょう。
それが今、実写化として蘇るのです!
ベル役のエマワトソンが歌に初挑戦
聡明で美しく、外見にとらわれず真実の愛を貫いた女性、ベル。
そんなベルに抜擢されたのは、ハリーポッターでも才女ハーマイオニーを演じたエマ・ワトソン!
可愛いハーマイオニーのイメージが強いかもしれませんが、すっかり大人の女性となった彼女がどんなベルを見せてくれるのか、とても期待できます。
彼女の知的で美しいほほえみは、ベルにぴったりだと思いませんか…?
けれどもここで、エマ・ワトソンに恐怖にすら感じさせているものがあると、彼女自身がインタビューに答えています。
それは彼女にとって初めての本格的な「歌」です。
ディズニーと言えば、ミュージックに溢れたロマンティックムービーです。
更に「美女と野獣」のアニメーション映画の主題歌は、世界中が知る名曲となり、作曲賞と歌曲賞を受賞したほど。
エマにとってのプレッシャーとは、はかり知れないことでしょう。
なぜなら、これほどまでに歌を必要とされる作品には、出演したことがなかったからです。
「今までの私とは違った新たな一面を楽しんでほしい」と思う反面、「この新たなチャレンジに、恐怖さえ感じています」と打ち明けているのです。
けれども、どうぞご安心ください。
日々の歌唱力磨きのレッスンの末、こう発言してくれたのですから。
「今はこの作品をやり遂げる準備ができているわ。あとは自分の仕事に集中し、全力で取り組むだけです。」と。
こんな恐怖に打ち勝つ努力や意志の強さも、ベルにぴったりだと思え、応援したくなってしまいますね。
美女と野獣の吹き替えと字幕のどちらがおすすめかも、こちらで調査しています。
どちらを観ようか迷っておられる方、また、どちらを先に観ようか迷っている方はぜひご参考くださいね!
キャストと公開日
美女と野獣のキャラクターと言えば、野獣の城に使える給仕頭のルミエールや優しいポット夫人、その子供のチップなど、楽しいキャラクターがたくさんいましたね。
今回は、実写版オリジナルの「カデンツァ」というグランドピアノのキャラクターも登場しますよ!
上の動画では、1991年のアニメーション映画と、実写映画の予告動画を対比して観れるようになっています。
誰が誰か、照らし合わせておわかりになるでしょうか…?
それでは、気になるキャストをご紹介しましょう。
まずは製作から。
- 監督:ビル・コンドン
- 脚本:スティーブン・チョボスキー
- 音楽:アラン・メンケン
今回楽しみなのは、かの有名な作曲家アラン・メンケンが音楽を担当すること!
「美女と野獣」はもちろん、「リトル・マーメイド」「アラジン」「ポカホンタス」「ノートルダムの鐘」「ヘラクレス」…など、ディズニー映画の多くの作品をドラマティックな歌で包んだ偉大な作曲家なのです。
今回の映画に挿入される曲にも、期待が高まりますね…!
それでは、俳優陣をご紹介しましょう。
- ベル:エマ・ワトソン
- 野獣:ダン・スティーヴンス
- ベルの父モーリス:ケヴィン・クライン
- ベルをものにしようと企む悪役ガストン:ルーク・エヴァンス
- ガストンの手下ル・フウ:ジョシュ・ギャッド
- ロウソク姿の給仕頭ルミエール:ユアン・マクレガー
- 新キャラクターであるグランドピアノのカデンツァ:スタンリー・トゥッチ
- 洋服ダンスのオペラ歌手ワードローブ:オードラ・マクドナルド
- ルミエールの恋人フェザーダスター:ググ・バサ=ロー
- 時計姿の執事コグスワース:イアン・マッケラン
- ポット夫人:エマ・トンプソン
- ポット婦人の子供チップ:ネイサン・マック
- 怪しい町医者ムッシュー・ダルク:エイドリアン・シラー
そして待望の日本公開日は、2017年4月21日(金)です!
アニメーション版の公開から25周年目という、記念すべき年の実写化となるのですね。
また、美女と野獣ファンにはたまらないイベントが開催されることも見逃せません!
美女と野獣の世界展
4月19日~5月9日まで、銀座三越にて開催されます!!
実際にベルが着用した、文字通り輝くドレスには目を奪われること間違いなし!
靴の装飾には秘密があるのですが、謎解きができるでしょうか…?
二人がダンスをした美しいシーンを思わせるようなエレガントな会場で、映画で使われた小道具たちも見ることができます。
ガラスドームに入った魔法のバラも要チェックです!
さて、この映画のキャストの起用には特徴があり、なぜかイギリス人俳優が多いのです。
エマ・ワトソンに始まり、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンズ、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、ググ・バサ=ロー、エマ・トンプソンまでがイギリス人俳優なのです!
でも実は、「美女と野獣」はフランス~イタリアにおける実話だったということを、ご存知でしたでしょうか…?
美女と野獣は本当の話だった
「美女と野獣」を最初に出版したのは1740年、フランスのヴィルヌーヴ夫人です。
その原作をポーモン夫人が1756年に短縮し、子供用の物語として出版したのが、今もなお世界中で知らる物語となっています。
しかし実は、そのもっと昔…16世紀のフランス~イタリアで実際にあった話が、受け継がれたものだったのです。
1537年にスペイン領のテネリフェ島に生まれたペドロ・ゴンザレス(Pedro Gonzales)という男性は、珍しい遺伝子を持っていました。
先天的に顔にも体にもたくさんの体毛を持つ、多毛症だったのです。
当時の王侯貴族たちには、そんな珍しい遺伝子を持った人間を自分のコレクションとして養う習慣がありました。
今の時代で考えると、とても非人道的なことですね。
しかし貴族の力の強い当時は、珍しいものを所有することがステイタスの一つでもあったのです。
ペドロが10歳の時、彼はスペイン国王カルロス1世のための贈り物として、檻に入れられオランダ行きの船に乗せられました。
しかしその航海中に、船はフランスの私掠船によって襲われ、ペドロはフランスに連れて行かれることとなったのです。
そしてフランス王アンリ2世の結婚式の贈り物として、差し出されました。
アンリ2世は見たこともないペドロの姿に喜び、彼にフランスの名前ぺトルス・ゴンサルヴス(Petrus Gonsalvus)を与え、宮廷に迎えます。
アンリ2世の妻であるカトリーヌ・ド・メディチ(イタリア、フィレンツェの大貴族出身)は、世界の誰も手にしたことのないぺトルスを大変気に入り、彼に語学や文学、マナーなど、貴族としてのたしなみを学ばせます。
ぺトルスが36歳になった時、カトリーヌ・ド・メディチは彼の伴侶を探そうと考えました。
そして宮廷内で最も美しい娘として名高かった、カトリーヌ・ラフェリンを妻として提案したのです。
カトリーヌ・ラフェリンはそれを聞いた時、あまりのショックに気を失って倒れてしまったと言われています。
しかしぺトルスと時間を過ごすうちに、カトリーヌ・ラフェリンは彼の優しさや聡明さに触れ、外見でなく内側の美しさに惹かれて深く愛するようになりました。
そうして彼らの間には6人の子供たちが生まれます。
最初の二人は多毛症の遺伝子を受け継ぎませんでしたが、後の四人は多毛症の遺伝子を受け継いだのです。
しかし時代が過ぎ、アンリ2世やカトリーヌ・ド・メディチの代が変わった頃、ぺトルス一家はイタリアのパルマにある、ファルネーゼ貴族の宮廷に移りました。
その後カーポ・ディ・モンテという中央イタリアの街に移動し、美しいボルセーナ湖のあるこの街で、81歳の生涯を閉じました。
美女と野獣のラブストーリーは、16世紀のイタリアのジョヴァンニ・フランチェスコ・ストラパローラ(Giovanni Francesco Straparola)の小説家の本の中でも紹介されており、これがぺトルス夫妻をモデルにしたのではないかとも言われています。
これが、18世紀にフランスで出版された「美女と野獣」の物語の元になったのではないかと言われています。
ディズニーのロマンティックな物語の奥深くに、そんな歴史的な実話があったのですね。
フランスの宮廷一美しい娘だったカトリーヌ・ラフェリンと、貴公子として育てられたぺトルスを思い出しながら、映画をご覧になるのも、一興ではないでしょうか。