
今日は、イタリアとフランスの国境近くにある街マントン(Menton)の、レモン祭りについてご紹介します!
青い海の美しい、フランス南東部のコート・ダ・ジュールに位置するこの街は、世界一のレモン生産地なのです。
レモン以外にも、ライムやキンカン、オレンジなど、数々の柑橘類が豊富に育ちます。
ここでは輝くようなシトラスフルーツがふんだんにあしらわれる、マントンのレモン祭りについてご紹介しましょう。
その開催期間や楽しみ方、そして爽やかでやみつきになるマントン流のレモンタルトの作り方を、どうぞご覧ください!
イタリアーフランスの国境にあるマントンの観光情報
マントンはかつてイタリアやモナコ公国の領土でしたが、現在はフランスの領土です。
イタリアの国境に近いこともあり、現在でも多くの人がイタリア語を話せます。
近くの街ニースも同様、イタリア語が通じます。
大陸ならではの文化ですね。
そしてマントンがイタリアの領土だった頃に伝わったのが、レモンの栽培だったのでした。
プロヴァンスのコート・ダ・ジュールの中でも、特に温暖で快適な気候に恵まれるマントン。
アルプス山脈に守られているため、強風や北風の影響も受けにくく、レモンなど柑橘の生産にぴったりだったのです。
二月頃には様々な種類のレモンやオレンジ、ライム、キンカン、グレープフルーツ、セドラなどの柑橘類が生産されています。
レモンの生産量は毎年200トンほど!
なんとフランスに流通するレモンの大部分が、マントン産だというのですから驚きです。
マントンのレモンは普通のレモンよりも鮮やかな黄色い色をしており、大きさも二回りほど大きな卵型をしています。
普通のレモンが1つの枝に5個ほど実を付けるところ、マントンレモンは15個も実を付けるんです!
皮は分厚く、爽やかな酸味と甘み、苦みのバランスが絶妙で、良くサラダに加えて食べられます。
果汁が豊富で、レモンの香りが強いのが特徴的。
そのため、レストランだけでなくパティスリーでも重宝されているのです。
マントンの街路樹は、レモンやオレンジの街路樹が植えられ、色とりどりの通りをお散歩するだけでもワクワク楽しくなりますね。
市内に建ち並ぶ可愛いショップのウインドーには、これまた色とりどりのお菓子が並びます。
オレンジピールにレモンキャンディー、ミモザ(レモン味のコンペイトウ)、プルプル透き通ったゼリーにジャム…
名物のタルト・オ・シトロン(レモンタルト)、フリュイ・コンフィも、まるで宝物のようにきれいなのです。
そして、柑橘類の香りがジューシーなソープや、香水なども売っています。
一年の中でも最も柑橘類の香りで街中が満たされるのが、フランスでも重要なお祭りである「レモン祭り」なのです!
- ニースから電車で40分
- ニース空港からバスで1時間30分
フランスで「芸術と歴史の町」として認定されているこの街は、多くの歴史的建造物が残っています。
ジャン・コクトーゆかりの地でもあり、「ジャン・コクトー美術館」や、彼が愛を壁や天井にかけて描いた「市庁舎の結婚の間」、そして珍しい花の咲き乱れる美しいイギリス庭園もあります。
是非ゆっくり訪れていただきたい街です。
レモン祭りの開催期間と楽しみ方
コート・ダ・ジュールの3大イベントといえば…
- ニースのカーニバル
- モナコ公国のF1グランプリ
- マントンのレモン祭り
なのです!
マントンのレモン祭り「Fête du Citron」は、1934年からカーニバルの時期に行われています。
カーニバルとは謝肉祭のことで、カトリックの国々にとって大切な期間なのです。
つまり、ニースでもヴェネツィアでも、同じ時期にカーニバルを行っていますので、ハシゴ観光するのも楽しいですね!
マントンのカーニバル(レモン祭り)には、なんと40万人もの観光客が訪れる盛況ぶり。
毎年テーマを決めて、街中にレモンやオレンジでできたオブジェや、豪華なパレードを見ることができます。
2016年はイタリアの映画撮影所「チネチッタ(Cinecitta)」をテーマに、懐かしいイタリア映画のワンシーンがたくさんのレモンやオレンジで再現されました。
今年のレモン祭りは
2017年2月11日(土)~3月1日(水)まで!
今年のテーマは「ブロードウェイ」です。
メリーポピンズやキャッツなど、皆さんが大好きなミュージカルのワンシーンが、おいしそうなフルーツで再現されることでしょう。
- 金の果物のパレード
- 夜の光のパレード
- 光の庭園
- オブジェの展示
パレードを座ってゆっくり楽しみたい方は、有料の観覧席をご予約できますよ!
立ち見でも良いので落ち着いて観たいという方には、リーズナブルな立見席がおススメです。
お祭りに使われたたくさんの柑橘類は、ジャムやアルコール類を作るために使われるそうですよ。
ちなみに…同じく「オレンジ祭り」と言いながら、全く趣向の違った激しいお祭りが、イタリアにあるのです(笑)
レモンタルトの作り方
マントンで人気のレモンタルト(タルト・オ・シトロン)は、甘酸っぱくてとっても爽やか!!
一口食べればレモン色の甘露の滴が全身に行き渡るような美味しさです!
そのレシピをご紹介しましょう。
是非お試しください!
生地
- 小麦粉 163g
- 塩 小1/2
- サラダ油 67g
- 冷たい牛乳 大3
フィリング
- グラニュー糖 300g
- コーンスターチ 45g
- 冷たい水 340ml
- Lサイズの黄身 3個分(白身はメレンゲ用にとっておく)
- 無塩バター(常温) 45g
- レモンの皮(すりおろし) 大1個分
- レモン汁 115g (だいたいレモン2個分)
- バニラエッセンス 小1/2
メレンゲ
- Lサイズの白身 3個分
- クリームタータ(メレンゲを立てやすくするため) 小1/4
- グラニュー糖 65g
- バニラエッセンス 小1
- まず、オーブンを220度に予熱スタートします
- その間に生地を作ります。ボウルに小麦粉と塩をふるい入れ、混ぜる
- 別の器でサラダ油と冷たい牛乳を電動ミキサーで良く混ぜる
- 3を少しずつ2に入れながら混ぜ、一つの生地にまとめる
- シリコンマットの上で直径30cmの丸になるまで、サランラップを巻いた麺棒で生地を伸ばす(シリコンマットがなければワックスペーパーの上に生地を乗せ、もう一枚ワックスペーパーを乗せて、上から麺棒で伸ばす)
- 生地をタルト型に空気が入らないよう敷き詰める
- 底に6~8回ほど、フォークで穴を開けておく
- オーブンに入れ、12~15分焼く。(こんがり焼き色がつくまで)
- 焼けたら生地を取り出し、オーブンの温度は200度に下げる
- その間にフィリングを作ります。小鍋にグラニュー糖とコーンスターチを入れ、混ぜる
- 冷たい水を加え、混ぜる
- 中火にかけ、ダマにならないよう混ぜながら1分沸騰させる
- ボウルの中に黄身を入れ、混ぜながら12の2/3を加えて良く混ぜる
- 13を12の小鍋に戻し、混ぜながら1分沸騰させ、火をとめる
- 無塩バターとレモンの皮、レモン果汁、バニラエッセンスを加え、良く混ぜる
- これを9のタルト生地に空気が入らないよう敷き詰める
- ここでメレンゲを作ります。大きいボウルの中に白身とクリームタータを入れ、電動ミキサーで良く混ぜる
- 混ぜながらグラニュー糖を加え、更に混ぜる
- 目安は電動ミキサーを持ち上げた時、トルコアイスのように伸びるくらいになればOK
- バニラエッセンスを入れ、ざっと混ぜる
- メレンゲを16の表面がかくれるように乗せる(角など形を作ると可愛いです)
- 200度のオーブンに入れ、メレンゲが少し黄金色になるまで8~10分焼く
- オーブンから出し、数時間かけて冷ましてできあがり!
おいしそうなレモンタルト、食べたくなってしまいましたね!
お家で試して美味しかったら、次は是非マントンで本場のタルト・オ・シトロンを召し上がってみてください!