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ローマの休日のスペイン階段が改修終了!イタリアの最も有名な広場の歴史を地図で解説。

約 1 分
ローマの休日のスペイン階段が改修終了!イタリアの最も有名な広場の歴史を地図で解説。

イタリアで最も有名な階段といえば、ローマの中心にあるスペイン階段です。

オードリー・ヘプバーン主演の映画「ローマの休日」では、オードリー扮するアン王女がスペイン階段でジェラートを食べているシーンとして、多くの人々の目に焼き付いていることでしょう。

ここでは、この美しいスペイン階段について詳しくご説明していきます。


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スペイン階段の歴史

スペイン階段

スペイン階段と呼ばれるこの階段、実は本当の名前があるのです!

この階段の上にある美しい教会は、フランス人のための教会で、「トリニタ・デイ・モンティ教会(Chiesa della Trinità dei Monti)」です。

16世紀末に完成した、ゴシック様式のフランスらしい左右対称の二つの鐘楼を持つ教会です。

教会からスペイン広場をつなぐこの階段ということで、正式名称は「スカリナータ・ディ・トリニタ・デイ・モンティ(Scalinata di Trinità dei Monti:トリニタ・デイ・モンティ教会の階段)」と名付けられているのです。

さて、イタリアなのにスペイン階段?と思われるかもしれませんね。

実はこの階段下に広がる広場には、昔からスペイン大使館があるのです。

そのため、この広場はスペイン広場(Piazza di Spagna)と名付けられました。

イタリア語でPiazza(ピアッツァ)は広場、Spagna(スパーニャ)はスペイン、di(ディ)は「~の」という意味です。

そこに面した階段ということで、通称「スペイン階段」と呼ばれるようになったのですね。

18世紀初頭までは、このスペイン広場とトリニタ・デイ・モンティ教会との間は、崖で阻まれていました。

街の中心にもかかわらず、崖のために人々の往来が不便だといことで、1725年あるフランス外交官が、フランスとスペインの平和を願って大きな寄付をし、階段を完成させたのです。

幅の広い、135段もある大きな階段は、まるで波が押し寄せて流れるようなバロック様式の美しいデザインで作られています。

階段の下には、1627年にローマの彫刻家であるピエトロ・ベルニーニと、かの有名な息子ジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって作成された「バルカッチャの噴水(小舟の噴水の意)」があります。

「小舟」とされたのは、海に木の葉のように舞う小舟のように、半分水に沈んだように傾いているため。

地面よりも下に水槽を設計し、舟を半分傾けてデザインしたことで、噴水の水圧を保つという建築技術が用いられているのです。

この作品はバルベリーニ家によって発注されたため、バルベリーニ家の紋章である蜜蜂が装飾されていますので、探してみてくださいね。

最後に、トリニタ・デイ・モンティ教会について、秘密をもう一つ!

実は二つの鐘楼には昔、それぞれに時計が付いていたのです。

片方は当時イタリアで用いられた6時間時計を、もう一つは通常の12時間時計を掲げていました。

バティカンの力が強かったイタリアでは、1日が真夜中の0時に始まるのではなく、夕方(日の入り)の祈りの時間に始まり、6時間×4回で区切るローマ式(イタリア式)の時計を採用していたのです。

1797年にナポレオンがイタリアに攻め入った際に、フランスで使われていた現在の12時間時計に変えるよう求めたのです。

今でもイタリアには古い教会の鐘楼などに、6時間時計が残っています。

現在のトリニタ・デイ・モンティ教会の時計は、左側には通常の12時間時計、右側には日時計が付けられています。

ローマ市内にはここ以外にも、あちこちに日時計がありますので、ぜひ探してみてくださいね!


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スペイン階段への行き方

ローマの地図

スペイン階段から正面に伸びる通りは、有名なコンドッティ通り。

世界的な高級ブランド店がずらりと軒を連ねています。

まずはブルガリ、ヴァレンティノ、フェンディの本店があり、店内の設えも大変美しいものです。

スペイン階段は2016年9月に約1年に及ぶ改修工事を終えましたが、ブルガリが1億7000万円の修復費を支援しました。

トレヴィの泉にはフェンディが、そしてコロッセオにはトッズグループが修復費を支援しているように、名立たるイタリアンブランドは、母国イタリアの遺すべき世界遺産の維持に深く関わっているのです。

コンドッティ通りには他にもプラダ、グッチ、サルヴァトーレ・フェラガモなどのイタリアンブランド、そしてディオールや、カルティエ、ルイ・ヴィトンなど世界的なブランドも並んでいます。

まさにローマの中心的な場所ですので、アクセスは便利!

地下遺跡がまだまだ埋まっているローマでは、地下鉄はA線とB線の二種類しかありません。

掘ると必ず遺跡にあたり、工事が中止になってしまうというのですから、さすがですね。

一番簡単な行き方は、ローマ最大のテルミニ駅から、A線で3つ目の駅「スパーニャ(Spagna)駅」で降りる方法!

いくつかある出口のうち、スペイン広場(Piazza di Spagna)出口を出れば、スペイン広場は目の前です。

もう一つの行き方は、優雅にお散歩を楽しみたい方へ。

ローマの街を一望しながら、スペイン階段の上に出てくるルートです。

上の地図をご覧ください。

こちらも地下鉄A線で、地図左上のフラミニオ ピアッツァ デル ポポロ(Flaminio Piazza del Popolo)駅で降り(スパーニャ駅の隣駅です)、有名なボルゲーゼ公園(Villa Borghese)出口を出ます

左手のボルゲーゼ公園の入り口を入れば、のどかなイギリス式庭園の風景が広がります。

80ヘクタール(東京ドーム17個分!)もの広大な敷地には、1605年に美しい美術品を所蔵する必見のボルゲーゼ美術館があったり、小舟に乗れる湖や動物園、子供たちが遊ぶちいさな遊園地やカフェ、レストランまでもがあるのです。

車の通れないこの公園内をパトロールするのは、なんと馬に乗ったおまわりさん!

ここは何世紀の空気が流れているのだろう、と思わせる程の美しい公園です。

その公園の西端にあるピンチョの丘からは、南に下っていく眺望の良い遊歩道(Passeggiata del Pincio)があります。

ポポロ広場やサンピエトロ大聖堂のクーポラが望められ、素晴らしいローマの街を一望することができます。

ここは視界の広い貴重な夜景スポットで、夕暮れ時の淡い色合いは何世紀も昔を思わせる、とてもロマンティックな眺めです。

その遊歩道を下っていくと、スペイン階段の上に出るのです!

スペイン階段からまっすぐに伸びるコンドッティ通りの一番奥には、サンピエトロ大聖堂のクーポラが見えます。

そんなお散歩ルートも、楽しいのではないでしょうか。

ローマの休日との関係

その魅力は、1953年の映画「ローマの休日」で印象的に映し出されています。

ヨーロッパの伝統の歴史を継ぐ某国の王女アンが、王女としての閉塞感と自由のない生活に耐えられなくなり、イタリアのローマを表敬訪問中の夜に、宮殿を抜け出してしまうのです。

ローマの街で出会った新聞記者のジョーは、普通の女の子がするような日常の幸せを体験してみたいと話すアン王女に、その素性に気付かないふりをしながらローマの街を案内します。

その時に、ジョーがアン王女を一番最初に連れていったのが、スペイン広場だったのです。

普通の少女のように広場のジェラテリアでジェラートを買い、スペイン階段でおいしそうに食べる様子はとても有名ですね。

今では文化遺産保護のため、この階段でジェラートを食べることは法律で禁じられていますが、イタリアを満喫するにはまずジェラートとスペイン広場!というジョーのアイディアには納得です。

ジョーに連れられ、ロマンティックなローマの街を自由に観光するアンの、初々しく溌剌とした笑顔は世の人々を魅了しました。

身分を隠しているアン王女と、それを知りながら素知らぬフリをして過ごすジョーですが、徐々に惹かれあっていきます。

けれど最後には、アン王女は自分の立場・役割を果たすことを苦しみの末に選択し、「どうさようならを言ったらよいかわからないわ、言葉が思いつかない…」と想いを残しながらも、ジョーのもとを離れます。

一人の女性としての幸せを望む心を押し込めて、一国を背負う王女としての責任を選択した彼女の、悲しみを奥に秘めた誇り高い表情が、感動を誘います。

宮殿に戻ったアン王女を大臣がとがめた時、「王女としての義務を認識していなければ、私は永遠にここに戻ることはなかったでしょう。」と、ジョーとの永遠の幸せを望んだことを匂わせます。

翌日、王女として世界中の新聞記者が集まる記者会見に出席した彼女は、そこで初めてジョーが新聞記者だったことを知るのです。

お互いに身分を隠して惹かれあいながらも、離れる結末を選んだアン王女でしたが、彼女はしっかりとジョーの瞳を見つめてこう言ったのです。

私は一生、このローマで過ごした思い出を懐かしむことでしょう。

記者会見が終わり、誰もいなくなった会場で一人佇むジョー。

しばらくして、その余韻を一生胸に遺そうとするように、ゆっくりと立ち去る姿が美しく胸に残ります。

この最後の記者会見が行われた場所は、最初に訪れたスペイン階段から歩いて15分ほどのところにあるコロンナ宮殿です。

13世紀に建設された、大貴族コロンナ家の宮殿です。

モノクロの映画の中ではわからなかったかもしれませんが、実際は黄金と白い大理石、そして天使の舞うブルーの天井…と豪華絢爛でとても美しいのですよ。

所蔵の様々な美術品が飾られており、訪れればきっと満足されることと思います。

コロンナ宮殿の大広間へ続く大理石の階段には、1849年にナポレオン三世が打ち込んだ大砲の玉が、大理石を砕いたままの姿で残っています。

さすがのイタリア、歴史を感じますね。

スペイン階段はゴールデンウイークの頃には鮮やかなピンク色のツツジが咲き乱れ、クリスマスの頃にはクリスマスツリーが輝きます。

あなたはどの季節に訪れたいでしょうか?

スペイン階段からローマの大通りを歩き、コロンナ宮殿へも是非一度、訪れてみてくださいね!


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