
ショートパスタの代表であるマカロニは、日本ではグラタンの中や、サラダに入っているイメージがあるかもしれません。
けれども本場イタリアでは、マカロニをマッケローニといい、ロングパスタと同じようにトマトソースなどと絡めて食されます。
中に穴の開いたものや、ねじってあったり様々な形をしているパスタは、中にソースが入りやすく、よりおいしく食べられる工夫なのです。
サラダだけでは勿体ないですね!
また、ショートパスタと別のカテゴリーとして、餃子のようにパスタで具を包んだもの(パスタ・リピエナ)もあるのですよ!
それぞれ、やはり作り立ての生パスタと、乾燥パスタがあります。
ここではショートパスタの分類と合うソース、ショートパスタを使った美味しい簡単レシピをご紹介します!
まずは中に具が入っていないタイプから見ていきましょう。
ショートパスタの種類一覧
短いパスタといっても、地域によって色々な形があり、ロングと同じようにパスタの生地にほうれん草やトマト、イカ墨などを練り込んだものもあります。
彩り豊かで名前も可愛いので、知っておくと面白いですね。
口の中でプリプリはじける感覚も、形ごとに違っていて楽しいのです!
更に嬉しいのは、ソースによっては冷えても美味しいこと♡
お弁当にもぴったりなのです!
ショートパスタには卵は入っておらず、水と小麦だけでできています。
コンキリエ(conchiglie)
名前の通り「貝」の形をしたパスタ。
見た目もとっても可愛いですね♡
中にソースが入り込むため、もっとソースを楽しめます。
- トマトソース
ファルファッレ(farfalle)
「蝶々」という名前の通り、可愛い形をしていますね!
- トマトソース
オレッキエッテ(orecchiette)
プーリア州の「小さい耳」という名前のパスタ。
プーリア州の伝統的なソースをご紹介しましょう。
- カブの葉、ガーリック(たまにソーセージ)
フジッリ(fusilli)
南イタリアのモリーゼ州で生まれ、今ではモリーゼ州だけではなくカンパーニア州、カラブリア州、シチリア島でも良く食されています。
【眠りの森の美女】のオーロラ姫が指を刺した、紡錘(糸車の針)が語源です。
確かに、そのような形をしていますね…!
- ラグーソース(ミートソース:トマトと各種肉)
マッケエローニ(maccheroni)
中央イタリア~南イタリアのパスタ。
日本では「マカロニ」として用いられる、穴のあいたショートパスタです。
表面はつるっとしており、どんなソースにも合います。
特に小さく刻んだ肉や野菜のソースにだと、中にソースが入りやすいのでGood!
- ミンチ肉を用いたソース
- 野菜のみじん切りの入ったソース
ペンネ(penne)
中央イタリアのラツィオ州、南イタリアのカンパーニア州、カラブリア州、シチリア島のパスタ。
中に穴があいており、表面はつるっとしているものと、写真のようにギザギザのものと両方あります。
マッケローニと違って断面が斜めになっており、よりソースをすくいやすくなっています。
- アラビアータソース(トマト、ガーリック、唐辛子、ペコリーノチーズ)
リガトーニ(rigatoni)
中央イタリア、特にラツィオ州のパスタ。
マッケローニやペンネよりも穴が大きく、よりソースを絡めます。
また、表面はギザギザ。
- カルボナーラ
パッケリ(paccheri)
ナポリの大きなパスタ。
濃い目のソースとあえたり、中に肉や野菜、リコッタチーズを入れてオーブンで焼いたりします。
ロングパスタのカンネッローニの短いバージョンともいえますね!
ポルチーニクリームのソースや、ラグーソース(トマトと各種肉のミンチ)など味の濃いソースをかけて焼けば、とろける美味しさです。
イタリア人は日本人と同じく、焼き目の香ばしさを楽しむ習慣があります。
パスタの長さによって使い分け、見た目も楽しんでいるようですね。
どこかでご覧になったら、ぜひ召し上がってみてください!
詰め物(中身の具)入りの種類
ここからは中身に具が入っているパスタのご紹介です。
これをパスタ・リピエナ(pasta ripiena)と呼んで、ショートパスタとは区別しています。
生地は水と小麦、卵でできた生地を薄く伸ばして型抜きし、中に具をつめて閉じます。
具は塩コショウでしっかり味付けしてあります。
他のパスタと同じようにソースとあえる食べ方の他に、スープの中でゆでて食べる方法もあります。
具に味がついているため、スープは薄味でOK。
水餃子みたいですね!
アンニョロッティ(agnolotti)
トリノのあるピエモンテ州のパスタで、普通は正方形をしています。
中身は蒸し煮した牛肉、ローストチキン、ウサギ、ソーセージなど、常に肉がベースで、そこにほうれん草などの野菜やパルミジャーノチーズ、ナツメグなどが混ざっています。
- ラグーソース(トマトと各種肉のミンチ)
アノリーニ(anolini)
エミリア・ロマーニャ州にある、パルマとピアチェンツァの伝統的なパスタ。
小さな三日月の形が特徴的です。
中身は煮込みビーフやロバ、ローストポークなど肉がメインで、そこにパン粉、パルミジャーノチーズ、卵、ナツメグなどが加えられています。
デリケートなスープ(透明)で煮込んで食されることが多いです。
- ビーフスープ
- チキンスープ
- ラグーソース(トマトと各種肉のミンチ)
ラビオリ(ravioli)
形は州によって異なり、多くは正方形、長方形、円盤の形をしています。
中身も州によって変わり、北イタリアは主に肉、南イタリアは特に魚を用います。
そこへリコッタチーズと野菜のミックスを混ぜ込みます。
- トマトソース
- オイルソース(ポルチーニ茸とガーリック、イタリアンパセリなどと共に)
カッペッレッティ(cappelletti)
エミリア・ロマーニャ州とマルケ州の伝統的なパスタ。
中世時代の男性用帽子のような形をしています。
中身には二種類あり、チーズ(リコッタチーズ、パルミジャーノチーズ、ナツメグ、卵)と肉(チキン、リコッタチーズ、パルミジャーノチーズ、ナツメグ、卵)です。
小さいので主にスープに入れて食します。
- チキンスープ
トルテッリーニ(tortellini)
エミリア・ロマーニャ州にあるボローニャとモデナの伝統的なパスタです。
「ヴィーナスのへそ」とも呼ばれ、最も美しい形のパスタ・リピエナとして有名です。
中身は豚ロース肉や生ハム、ボローニャソーセージがメインで、パルミジャーノチーズと卵、ナツメグがミックスされています。
形も大きさもカッペッレッティに似ていますが、生地はより薄く、中身の量も少なくなっています。
フェミニンな感じがしますね!
こちらも小さいので、スープで煮込んで食されます。
- チキンスープ
トルテッリ(tortelli)&トルテッローニ(tortelloni)
トルテッリーニの大きいバージョン。
「oni」は大きいという意味でしたね!
中身はリコッタチーズ、フダンソウ(ほうれん草の仲間)、卵、ナツメグをミックスしたものなど。
一つが大きいので、お皿に3~4枚だけ乗って提供されることもありますが、見た目よりもボリュームがあってお腹いっぱいになりますよ!
- トマトソース
人気のショートパスタ簡単レシピ
ショートパスタを使って、イタリアでも人気の簡単な作り方をご紹介しましょう!
こちらは冷めても美味しく食べれますので、お弁当にも便利♡
今回はペンネでご紹介しますが、是非お好みの穴あきパスタで挑戦してみてくださいね。
材料(4人分)
- ペンネ 250g
- 角切りのトマト缶 300g
- 黒オリーブ(種なし) 100g
- ペコリーノチーズ(なければパルミジャーノチーズ) 大1
- オレガノ 適量
- バジル 適量
- オリーブオイル 適量
- ブラックペッパー 適量
作り方
- フライパンにオリーブオイルを入れ、中火をつける。
- トマト缶を入れ、水分が少し飛ぶまで数分煮込む。
- 輪切りにした黒オリーブとオレガノを入れて煮込む。
- ソースがドロっとしてきたら、ペンネを茹でる。
- アルデンテに茹でたペンネの水を切って4に入れ、混ぜる。
- 上からペコリーノチーズをおろし入れ、中火のまま混ぜてチーズを溶かす。
- お皿に盛り、刻んだバジルを添えてできあがり!
いかがでしたか?
もっとパスタが身近に感じられたのはないでしょうか。
スープで煮込んだパスタ・リピエナも、具材の風味がスープに溶けだし、とてもおいしいものです。
寒い日に、あったかスープと一緒にスプーンでどうぞ♡
スープにはパルミジャーノチーズをたっぷりすりおろすと、塩気が加わって美味ですよ!