
この時期、友人や家族と集まってクリスマスパーティーをする方も多いことでしょう。
自宅でのパーティが得意なヨーロッパの人々は、どのように楽しんでいるのでしょうか。
おいしい料理に楽しい会話、素敵な音楽…そして、大笑いできちゃうゲームがあれば、パーティは大成功です!
ここでは、ヨーロッパのクリスマスパーティでどのようなゲームが楽しまれているのかをご紹介します。
日本でも同じように楽しめるアイデアばかりですので、どうぞ構想を膨らませてみてください!
大人数のパーティーで楽しめる、イタリアの伝統的なクリスマスのゲーム
【トンボラ(Tombola)】
市販のビンゴカードを代用しても遊べますよ!
まず親を一人決め、1~90までの番号が印刷されている親用のカードを持ちます。
他のメンバーは25マスあるビンゴカードを持ちます。
ビンゴカードと違うのは、1枚のカード25個のマスのうち、数字が書いてあるのは15個のみという点。(でも、ビンゴカードでもOKです)
このカードを、参加者は1枚1ユーロなどでお金を出し合い、一人何枚持っても良しとします。
親もゲームに参できますので、ビンゴカード6枚分(90÷15=6)に相当する金額を出します。
集めたお金を1~6位用の賞金として分けるのです。(※お金を集めず、プレゼントを景品としたりもします)
それではゲーム開始です!
親は袋の中から1~90までの数字の描かれた札を引いて読み上げ、その数字が手持ちのカードにあれば、チェックしていきます。
ここからもビンゴと違う点!
まず最初に同列に2つ番号が並んで揃った人は、6位用の賞金をもらえるのです。
そして初めて3つ並んでそろった人には、5位用の賞金…というように続きます。
おもしろいのは、最初に2つそろって、更にその人が誰よりも早く3つそろった場合、アンボとテルノ両方の賞金をもらえること!
- アンボ(Ambo:最初に2つをそろえた人)
- テルノ(Terno:最初に3つをそろえた人)
- クワテルナ(Quaterna:最初に4つをそろえた人)
- チンクィナ(Cinquina:最初に5つをそろえた人)
- トンボラ(Tombola:最初に15個全部そろった人)
- トンボリーノ(Tombolina:二番目に15個全部そろった人)
トンボラが1位、2位がチンクィナ、3位がトンボリーノである場合が多いです。(トンボリーノは、小さなトンボラという意味)
もちろん、そろえば親でも賞をもらえます。
また、これはただ数字を読み上げるだけではない点が楽しいのです。
上の写真をご覧になると、数字の脇に絵が描いてありますね。
ナポリの習慣として、番号には一つずつ意味がつけられています。(今ではイタリア中で知られています)
親は、番号ではなくて、そのつながりのある名前を面白おかしく叫ぶのです。
例えば上の写真のように、2番なら「La bambina!(女の子)」、3番は「La gatta!!(雌猫)」、25番は「Natale!!(クリスマス)」、77番は「Le gambe di donne!!(女性の足)」など。
そうやって大声でワイワイ騒ぎながら、家族や友人たちと遊ぶのが、賞金よりも何よりも楽しいのです。
また、テーブルの真ん中にピスタチオやピーナッツ、みかんなどを山盛り置いておき、食べながら遊ぶのもまた、親しい人たちと遊ぶ雰囲気として欠かせません。
ナッツやみかんを食べながら、読み上げられた番号の上に食べ終えた殻やみかんの皮などを置いていくのです。
こんな風にして、大切な人たちと家庭的な雰囲気を愛するイタリアの家庭には、必ずトンボラセットがあるのです。
【スキーフォ・トンボラ(Schifo Tombola)】
「Schifo」とは「気色悪い」という意味です。
なぜなら、ゲームの景品が「全然ほしくない物」だから!
参加者は自宅から要らない物、可愛くない物をいくつも用意してきます。
そして外から中身が見えないように包み、持ち寄るのです。
トンボラと同じようにゲームをし、アンボ、テルノ…と揃った順に、中身の見えないプレゼントを選んでいきます。
もちろん、可愛くないものが入っていますから、中身を見てみんな大騒ぎ!
しかもスキーフォ・トンボラで当てたプレゼントは捨ててはいけないというのです!
捨てたらアンラッキーになるのだとか(笑)
これはもう、大騒ぎ必至ですね!
参加者はウケ狙いで、面白いものを色々と思案して持ってくるのです。
お笑いの腕の見せ所ですね!
【メルカンテ・イン・フィエラ(Mercante in Fiera)】
日本の「かるた」でも代用できますので、ご参考にしてみてくださいね!
絵柄の描かれた専用のカードが80枚あり、全て二枚セットで同じ絵が描かれています。
親は市場の人の役で、全絵柄40枚を手にします。
ゲーム参加者は市場のお客さんとして参加費を払い、残り40枚のカードを数枚ずつ配ります。(8人が参加する場合、一人3枚ずつ)
※お金の代わりにプレゼントを用意したりもします。
ここで全部配りきらず、10枚程度は残しておくようにし、残っているカードはオークション形式でお金と交換します。
親は参加者に「白鳥のカードが残ってるよ、買いたい人はいる?いくらにする?」
白鳥のカードが当たりそうだと思う人は、「1ユーロ!」「僕は2ユーロ!」と、競り合うのです。
全てのカードが売り切れたら、集まった全てのお金を例えば1~5位までなど、賞金(景品)をお好みで分けます。
そして、親は手持ちのカードから1枚ずつ取って、1~5位までのお金の山の前に、選んだカードを参加者に見えないよう伏せて置いて、準備OK!
さぁ、ゲームの始まりです!
親は手元に残ったカードを読んでいきます。
「犬!」「キリン!」「キノコ!」etc…これらは、賞金とは関係のないハズレのカードたちですね。
参加者は残念がりながら、手持ちのカードからハズレのカードを捨てていきます。
その途中で、参加者同士で「そのカード、これと交換してよ」とか「そのカード、1ユーロで売ってくれない?」などと言い合います。
でも、それが必ずしも当たりのカードとは限らないのがスリリングなところ!
そして、最後に残った数枚が、当たりのカードというわけです。
日本の絵と文章が対になった「かるた」でもできそう、と思いませんか?
フランス、イギリスで人気のゲーム
【ドーチェ(Douche)】
そしてその中から一つ具体的なものを決め、心の中に留めておきます。
親は小さなグラス(イギリスではエッグカップ)に水を入れ、手に持って他の参加者の前を順番に回ります。
親が目の前に来たら、参加者は親が決めたカテゴリーの中から、一つずつ具体名を挙げていきます。
そして親が心に決めた名前を当ててしまったら、その小さなグラスに入った水を頭からかけられてしまうのです!
ハラハラ、ドキドキです!
Doucheとは、フランス語で「シャワー」という意味なのですよ。
なるほど!
デンマークで伝統的なのは?
【リーサラマンデ(Risalamande)】
プディングの中に一粒だけアーモンドを忍び込ませ、パーティーに来た人たちと分け合います。
そして、自分の分の中にアーモンドが入っていたら、大当たり!
何かプレゼントがもらえるという、運試しの様な楽しみ方です。
これはイギリス、アイルランド、フランスでも同じようにケーキの中に小さな物を忍ばせ、将来を占う楽しみ方があります。
NHK大河ドラマの「まっさん」でも、クリスマスプディングに指ぬきが入っていたことから、エリーとまっさんは結ばれたのでしたね!
【Mus(ムス)】
ゲーム参加者の中から順番にねずみ捕り役を一人決め、目隠しをしておきます。
それ以外の人はテーブルの上に20個ほどのクルミやクッキーを並べて置き、その中で一つだけ「Mus(ねずみ)」を決めておきます。
目隠しを解かれたねずみ捕り役の人は、どれがねずみだか知りません。
そしてねずみを当ててしまわないよう、恐る恐るクルミやクッキーを取っていきます。
ねずみを当ててしまったら、ゲームオーバー!
それまでに、手元にいくつお菓子をゲットできたかを競い合うのです。
ねずみ捕り役は一人ずつ交代していきます。
いかがでしたか?
ヨーロッパには古くからのゲームがたくさんありますね。
他にも、スイスではチーズフォンデュを食べる時、具材をチーズの中に落としてしまったら罰ゲーム!なんていうのもあります。
様々なアイディアがあり、気心の知れた家族や友人たちとはしゃげそうなものばかりですね。
でもどれも根底にあるのは、親しい人たちと集まって一緒に騒いで楽しむ心です。
皆様もクリスマスの日に大切な人たちとの時間を、アイディアいっぱいに楽しまれますように!