
クリスマスシーズンには、街中に素敵なクリスマスソングが溢れます!
それぞれの曲に、聴く人の色々な思い出が詰まっていることでしょう。
皆さんはどんな曲が思い出深いでしょうか。
ここでは、日本であまり知られていない、ヨーロッパで人気のクリスマス曲をご紹介しましょう。
面白いのは、これら大人の選んだランキングと、子ども達の選んだランキングとに共通点があり、更に歌い方やアレンジで全然違う雰囲気になっていること!
あなたはどちらのバージョンがお好きでしょうか?
うっとりとロマンティックなものや、クリスマスパーティにぴったりの楽しい曲まで満載です。
更に、クリスマスの映画のために作られた音楽や、ヨーロッパ各国の伝統的なクリスマスソングもご紹介していきますね!
ヨーロッパの定番クリスマス曲ランキング
ヨーロッパで人気のクリスマス曲ランキングは、日本のランキングとはやっぱり違います。
1.「Happy Xmas (War is Over)」(1971年)
【John Lennon & オノ・ヨーコ】
当時のベトナム戦争を嘆き、聖なるクリスマスの博愛精神のもと「争いをやめよう、望めば戦争は終わる」と、人々の胸にメッセージを贈り続けています。
ジョンの願いである「永遠に残る、意味のあるクリスマスソングを」という想いは、今も世界中で愛されているのです。
世界中の善なる想いを代表し、二人の愛が世界を包んでいる…そう思える作品です。
2.「White Christmas」(1940年)
【作詞・作曲:Irving Berlin】(歌:Bing Crosby)
古き良き時代の、美しいホワイトクリスマスの情景をゆったりと歌い上げたこの曲は、第二次世界大戦中の人々の胸に強く響きました。
平和で温かい故郷でのクリスマスを懐かしく思い出し、心を癒したことでしょう。
3.「Jingle Bells」(1857年)
【作詞:James Pierpont】(歌:Frank Sinatra)
牧師であったJamesが、ジョージア州サヴァナの教会で感謝祭のために作詞した歌です。
オリジナル曲は聖歌的で少し暗いメロディーでしたが、現代の物は明るく作りかえられています。
4.「Last Christmas」(1984年)
【Wham!】
当時人気絶頂だったイギリスグループ「Wham!」の発表したシングル曲。
「昨年のクリスマス」を意味するタイトルで、実はクリスマスに失恋した相手への想いを歌った曲なのです。
メロディーが明るいのは、失恋しながらも、精一杯彼女を愛した自分を誇らしく思い、バカだとも思い、それでも今でも心惹かれ…
けれども、そんな想いを振り切って、次こそは自分にとっての本当に特別な人を愛するのだ、という決意が込められているからなのです。
5.「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」(1945年)
【Vaughn Wilton Monroe】(歌:Rod Stewart)
「雪よ降れ!」とタイトルで三度も叫ぶこの曲は、実はクリスマスのための曲ではなかったのです。
男性が愛する人の元を訪れた夜、たくさんの雪が降ってきます。
雪のために帰り道が閉ざされ、真っ白な世界の中で恋人と二人きり。
暖炉の炎はそんな二人を煌々と照らしてくれています。
もうこのままずっと二人でこうしていたい…「雪よ降れ、降り続いてくれ!」と願う、ロマンティックな恋人たちの歌なのです。
6.「O Holy Night」(1847年)
【作詞:Placide Cappeau、作曲:Adolphe Adam】(歌:Libera)
もともとはフランス語で作られた賛美歌でしたが、後に英語に訳され世界中で愛されています。
クリスマスに降誕するキリストを祝う神聖な喜びが、大聖堂に響き渡ります。
7.「Wonderful Christmas Time」(1979年)
【Paul McCartney】
ポール・マッカートニーが一人で全ての楽器を演奏し、発表したソロ・シングル。
1位のジョン・レノンの曲とは違い、子供のようにワクワクしてクリスマスを待ちわびる様子が歌われています。
8.「Thank God It’s Christmas」(1984年)
【Queen】
イギリスのロックバンド、クイーンの歌。
日々大変なことがあっても、クリスマスには全てを手離して喜び合える…やっとクリスマスが来た!と心から安堵し喜ぶ姿が浮かびます。
9.【「Jingle Bell Rock」】(1957年)
【Bobby Helms】
映画「ホーム・アローン」で使われ、最近の世代にも有名になった歌ですね。
鈴の音が鳴り響き、陽気で楽しい子供の心を持った全ての人を、ワクワクさせてくれます。
10.「All I Want For Christmas Is You」1994年
【Mariah Carey】
サンタクロースへの願いはただ一つ、愛するあなたを連れてきてください…という恋心が歌われています。
ロマンティックなハンドベルの音から始まり、聖夜にぴったりです。
日本のドラマ「29歳のクリスマス」の主題歌としても使われました。
映画のために作られた音楽
ここからは、映画のために作られた曲で、クリスマスの定番となったものをご紹介します。
1.「Have Yourself a Merry Little Christmas」(1944年)
映画【Meet Me in St. Louis】by Judy Garland
日本語で「若草の頃」というミュージカル映画。
古き良き時代のアメリカ、セントルイスの温かい家庭を描いた映画で、暗い戦争に疲れた人々の琴線に触れて大ヒットとなりました。
上の歌を、イタリア人アーティストであるClaudio Baglioniがイタリア語で歌い上げた作品。
とても素敵で、イタリア中で爆発的な人気を博しました。
イタリア語の優しい発音が、耳に心地良く響きます。
2.「What’s This?」(1993年)
映画【The Nightmare Before Christmas】
ティム・バートンの世界観を存分に表現された、ファンタジーとホラーティックの融合した人気のミュージカル・アニメーション映画。
一年中がハロウィンの町「ハロウィン・タウン」の住人が、森の奥で一年中クリスマスを祝う街「クリスマス・タウン」への入り口を見つけます。
初めて雪景色の中に広がる、喜びに溢れたクリスマスを知り、主人公のジャック・スケルトンは自分がサンタクロースになろうとするのです、
ハロウィンしか知らないジャックは、果たしてクリスマスのお祝いを盛大に執り行うことができるのでしょうか…?
3.「Believe」(2004年)
映画【The Polar Express】by Josh Groban
クリスマスの夜、サンタクロースを信じられなくなった少年の元に大きな蒸気機関車「ポーラー・エクスプレス」が現われ、北極点へと向かいます。
その度の中で、少年は人生に大切な自分を信じること、愛や夢を信じることを学んでいくのです。
ロマンティックな映像と共に、夢を持ち、自分を信じて生きることで答えが見える、とゆったり歌い上げます。
迷っても、クリスマスの日にはその答えが見えるのだと…。
4.「Christmas Time Is Here」(1965年)
アニメ【A Charlie Brown Christmas】by Vince Guaraldi Trio
しっとりとしたジャズピアノに乗せて、家族とのクリスマスを待ちわびる喜びが歌われています。
スヌーピーの漫画を始めてアニメ化した作品で、子供たちとスヌーピーの愛らしい姿を描いたこの作品が大成功し、今や世界中でスヌーピーが愛されるようになりました。
5.「Somewhere In My Memory」(1992年)
映画【Home Alone】by John Williams
上でもご紹介した映画「ホームアローン」のために作られた曲。
子供たちの済んだ声で、クリスマスの温かく幸せな情景を歌います。
オーケストラの演奏が聖夜を美しく飾ってくれます。
各国の有名なクリスマスソング
それでは、各国の伝統的なクリスマスソングをご紹介します。
ヨーロッパの人々にとってのクリスマスがどんな意味を持つのか、良く表わされています。
クリスマスの本来の意味が歌われており、胸の中にキャンドルが灯ったように温かくなることでしょう。
また、皆さんも良く耳にする曲が、もともとどこの国の歌だったのか、おわかりになりますよ。
フランス(1946年)
「Petit Papa Noel」(歌:Tino Rossi)
映画「Destins」の中で歌われたこの曲は、フランスで最も愛されているクリスマス曲。
「愛しのサンタさん」という意味で、「ぼくの靴下におもちゃを持ってきてね、でも外は寒いからたくさん着てきてね」と、可愛いぼうやのサンタさんへの気持ちが優しく歌われています。
古い映画で歌われた名シーンをご紹介しましょう。
アイルランド(12世紀)
「The Wexford Carol」
カトリックの国であるアイルランドで、12世紀から愛されるクリスマス聖歌です。
マリア様とともに、クリスマスに神様への愛を込めて祈りましょう…と、博愛や慈悲の心を育む歌です。
ヨーロッパでクリスマスがどのような意味を持つか、深く考えさせられる一曲です。
イングランド(16世紀)
「We wish you a merry Christmas」
クリスマスにはいちじくのプディングを作り、クリスマスの歌を歌っていた伝統が、今も尚残っています。
一番はクリスマスおめでとう!と歌い、二番の歌詞には子供たちがいちじくのプディングを食べたくて仕方ない!という様子を楽し気に歌っています。
ドイツ(1824年)
「O Tannenbaum」
日本語で「もみの木」として親しまれている曲ですね。
ドイツ北部で古来から伝わる民謡に、歌詞を付けたものです。
常緑樹であるモミの木が、生命の象徴であり、豊かさをもたらすものであった古来の信仰からきているのでしょう。
イタリア(1754年)
「Tu scendi dalle stelle 」
カトリック教会のミサでは欠かせない、クリスマスのキリストの降誕を祝う歌です。
貧しい人、弱い人にも等しく愛と優しさを…という、クリスマスの精神を思い出す、美しい歌です。
映画「クリスマス・キャロル」では、本来のクリスマスの精神を明確に表現されており、とても感銘を受けます。
オーストリア(1818年)
「Stille Nacht, heilige Nacht」
日本では「きよしこの夜」として知られている、賛美歌です。
聖夜を美しく歌い上げる荘厳な響きは、クリスマスの本当の意味を思い出させてくれることでしょう。
懐かしい曲がたくさんあったのではないでしょうか。
日本のクリスマスのイメージとは少し違って、本来の意味を知っていることで深く心に染み渡る曲ばかりでしたね。
ぜひ皆さんも、上で【参考】としてご紹介したようにヨーロッパの人々のクリスマスの過ごし方、クリスマスの精神を知った上で、クリスマスを迎えていただければと思います。
美しい音楽と共に、どうぞ素敵なクリスマスを!